🎯 概要

デール(deel)の腰部を締めるために巻く帯(ベルト)。実用品としての固定・保温・支持機能と、社会的地位・富・礼儀作法を示す象徴性を併せ持つ。

男性文化では「帽子・帯・火打石」が精神性を担う三要素とされ、帯はその中核に位置づけられる。

素材は布・絹・革から金銀製まで多様で、帯を付けずにデールを着ることは「準備が整っていない」状態を示すとされる。

📖 詳細

1) 用語と基本仕様(形状・寸法)

  • 名称:ブス(бүс)=帯・腰帯

  • 形態:長い帯状の布(または革・金属帯)を腰に巻いて結ぶ/留める

  • 寸法(布帯の典型):長さ約3〜4m、幅約20〜30cm

  • 装着:腰に数回巻き、前または横で結ぶ(布帯)。現代都市部ではバックル式ベルトも見られる。

2) 素材と装飾(階層差・意匠)

  • 素材の幅:絹・布・革・銀・金など。

  • 貴族層:金銀製の帯や、精巧な彫刻・宝石象嵌を施した帯が言及される。龍文様は崇敬の印とされる。

  • 男性用(布帯の一般傾向):絹または綿。青・黒・茶など落ち着いた色、比較的シンプル。

  • 女性用(布帯の一般傾向):絹が多く、赤・ピンク・青・緑など鮮やかな色、刺繍や模様入りが挙げられる。

  • 現代例:都市部で女性が金色の洋式バックル付きベルトを用いる例、国家儀礼(大統領就任式)で宝石装飾の幅広布ベルトが用いられることもある。

3) 実用機能(身体・移動・収納)

  • 固定:デールの腰部を締め、衣服を安定させる。

  • 保温・保護:冬季に腹部を保温し、内臓を保護する実用性が述べられる。

  • 支持:乗馬時に腰を支える。

  • 携行(“帯=実用品のハブ”):帯は吊り下げ具として機能し、各種携行品をまとめる。

4) 男性の帯装飾品(吊り下げる実用品)

男性は帯に複数の実用品を吊るす慣習があるとされ、例として以下が挙げられる。

  • ヘト・ツァヒール:火打石付き伝統ライター

  • ナイフ:装飾ケース入り

  • アヤガニー・ウート:お椀入れ袋

  • 嗅ぎタバコ入れ(フル):社交儀礼に不可欠

  • 茶碗袋・火打石・嗅ぎタバコ入れ等:帯から吊るす携行品の例として列挙される

  • 銀椀・銀杯:デールの大きなポケットに収納する例が述べられる

5) 社会・文化的意義(規範・性差・象徴)

  • 地位と富の指標:帯の質・装飾が社会的地位を示す(例:金糸刺繍の絹帯、金銀帯)。

  • 規範:帯なしのデール着用は「準備が整っていない」ことを意味するとされる。

  • 性差:女性は(ミャンガド族とブリヤート族を除き)通常、帯装飾品を着用しないとされる。