🎯 概要
1969年に台湾(中華民国)で哈勘楚倫が編纂した中国語・モンゴル語対訳辞典である。冷戦下で中華人民共和国との交流が断絶していた台湾において、蒙蔵委員会を通じて刊行された。モンゴル語表記にキリル文字を採用した点は、伝統モンゴル文字の使用を主張する台湾当局の立場と一見矛盾するが、国際学術界との整合性と学習者の便宜を優先した実用的判断であった。現代語彙・技術用語を含み、中国語話者がモンゴル語を学ぶための包括的辞書として設計された。
📖 詳細
冷戦下の言語学
台湾は「外蒙古」(モンゴル人民共和国)の独立を長年承認せず、蒙蔵委員会がモンゴル・チベット政策を所管した。本辞典はこの政治的文脈の中で、学術的中立性と政治的立場の間の緊張関係を反映する。
現代での位置づけ
冷戦期台湾のモンゴル語研究と、伝統文字/キリル文字論争の歴史的証拠として、東アジア言語政策史研究に価値を持つ。