🎯 概要

遊牧民が家畜を誘導・鎮撫・使役するために発する独特の声や言葉の総称。数キロ先まで届く響きを持ち、家畜の種(五畜)ごとに決まった「呼び声」が存在する。これは家畜を「家族」や「協力者」と見なす深い理解に基づいている。

📖 詳細

代表的な呼び声

  • ホシュ、ホシュ (Khush, khush): 羊を追う際やなだめる際の声。
  • チャ、チャ (Cha, cha): 牛や馬を歩かせたり急がせたりする際の合図。
  • テク、テク (Teg, teg): ラクダを座らせる際の声。
  • ギングー (Gingoo): 競馬(ナーダム)の際に子供の騎手が馬を鼓舞するために歌うような独特の節回し。

母子を繋ぐ「ホーシグ(なだめ歌)」

母家畜が我が子を拒絶した際、馬頭琴の演奏と共に「ホース、ホース」と優しく語りかけ、母家畜の涙を誘って授乳を促す「ホーシグ(なだめ儀礼)」は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている。単なる記号ではなく、動物の感情に訴えかける高度なコミュニケーション手法である。