🎯 概要
清朝康熙帝治世末期(1716-1720年頃)に編纂されたと推定される満洲語・モンゴル語・漢語の三言語対訳辞典である。『御製清文鑑』(1708年)の満洲語単言語辞典を基盤に、モンゴル語と漢語を対照させる多言語化の最初の試みであり、後の『御製四体清文鑑』(1794年)への橋渡し的存在である。完全な写本の所在は現在未確認であり、その存在は後続辞書の序文や清朝文献からの間接的証拠により推定される。
📖 詳細
満洲文字の精密性
明朝『華夷訳語』が漢字音写でモンゴル語を記録したのに対し、本辞典は1632年改良の「有圏点満文」を用いてk/g/h等の子音を厳密に区別できた。この精密な転写体系が、18世紀初頭モンゴル語音韻の復元手がかりとなる。
未発見の辞書
中国国家図書館・故宮博物院・内モンゴル図書館のデジタル化が進めば、未整理資料から写本が発見される可能性がある。
現代での位置づけ
満洲語単言語辞典から多言語辞典への過渡期を示す「失われた環」として、清朝辞書編纂史研究上の重要課題である。