🎯 概要

ナウルズは、モンゴルのカザフ系住民をはじめ、中央アジアから中東、バルカン、コーカサスにかけて広く祝われる春分の祝祭である。

毎年3月22日前後の昼夜平分の時期に行われ、冬を越えて新しい季節と新年の始まりを迎える祝いとして位置づけられている。

📖 詳細

起源と歴史

「ナウルズ」はペルシア語に由来し、「ナウ=新しい」「ルズ=日」で「新しい日」を意味する。モンゴルのカザフ社会では長く受け継がれてきたが、1926年以降は制限を受け、1940年代末ごろまでバヤン・ウルギーでひっそりと祝われていた。1990年以降、民主化とともに民族文化の復興が進み、再び公的にも重視される祝祭となった。

国際的な広がり

ナウルズは世界で3億人以上が祝うとされる。2010年2月23日には国連総会で「International Day of Nowruz」として承認された。UNESCOの無形文化遺産代表リストには2009年に初回記載され、2016年に対象国が拡張され、2024年にはモンゴルを含む拡張登録が承認された。

祝祭の準備と始まり

祝祭の前には家の大掃除を行い、新しい布類や装飾を整える。人々は散髪や沐浴を済ませ、新しい衣服や装身具を用意し、清らかな姿で新年を迎える。祭り当日は親族や地域の人々が集まり、年長者を敬い、互いに祝福の言葉を交わす。わだかまりのある相手と和解し、借りを返して心を軽くして新年に入るべきだと考えられている。

遊びと芸能

夜には若者たちがアルトゥ・バカンというブランコで歌い交わし、コクパル、バイゲ、クズ・クー、ジャンブ・アトゥなどの民族競技を楽しむ。また、即興詩をドンブラに乗せて掛け合うアイティスも重要で、祭礼を題材にしながら社会の長所や課題を詩で表現する場にもなる。

祝いの食卓

ナウルズの食卓には肉、乳製品、菓子、果物など七種類以上の料理を並べるのが望ましいとされる。特に七つの材料を入れたスープは重要で、水、肉、塩、小麦粉、穀物、乳、脂肪が人生の喜び、幸福、知恵、健康、富、成長、加護を象徴すると考えられている。食事の前後には最年長者がバタと呼ばれる祝福の言葉を述べ、参加者は両手を合わせて「アミン」と唱える。

挨拶と象徴性

ナウルズは特定の宗教だけの祭りではなく、人間と自然の結びつきを祝う季節の祭礼として理解されている。春の訪れ、家畜の出産、渡り鳥の帰還、乳製品が豊かになる時期と重なり、生命の再生と共同体の結束を象徴する。