🎯 概要
遺体を草原の特定な場所に置き、猛禽類(ハゲワシなど)に食させる葬送儀礼。チベット仏教の教えに基づき、死後の肉体は魂の抜けた空き殻であり、他の生命(鳥)に施すことで最後の徳(布施)を積むという思想に基づいている。
📖 詳細
思想的背景
仏教における「無常」と「慈悲」の体現とされる。肉体を他の生命の糧とすることで生命の循環に寄与し、執着を捨てる象徴的な行為。もし鳥が遺体を完全に食べ尽くせば、故人の魂が速やかに往生した吉兆とされる。
現実的側面
モンゴルの広大な大地は冬場には岩のように硬く凍りつき、土葬が困難である。また、草原には火葬用の薪も乏しいため、自然環境に適応した最も合理的で衛生的な処理方法として定着した。
儀式の手順
故人の没後、ラマ僧が経を読み、日取りや場所を占う。遺体は白い布に包まれ、馬の背に乗せられて草原へ運ばれる。特定の「葬場」に安置され、遺族は決して後ろを振り返らずに去らなければならない。現在、都市部では火葬が一般的だが、地方では伝統が細々と受け継がれている。