🎯 概要
モンゴルにおいて茶(主にスーテー・ツァイ)を出すことは、単なる飲料の提供ではなく、最高のもてなしと社会的な紐帯の象徴である。「食べ物の頂点(イデーン・デージ)」として尊ばれ、受け渡しには厳格な作法が存在する。
📖 詳細
受け渡しの作法
- 提供者: 両手で椀を持つか、右手の指を椀に添え、左手を右肘に添えて差し出す。袖をまくるのは失礼とされる。
- 受取者: 同様に両手で、あるいは右手を差し出し左手を右肘に添えて受け取る。手のひらを上にして指先を椀に添える。
- 飲む際: 受け取ったらすぐに一口以上飲むのが礼儀。一滴も飲まずに置くのは非常に失礼とされる。
順序と沈黙
茶はまず家長、次に最年長者や賓客の順に供される。初対面の客に対しては、まず沈黙の中で茶を供し、一息ついてから用件や世間話を始めるのが草原の洗練されたマナーとされる。
天への献茶(ツァツァル)
毎朝、主婦が淹れたての茶を「永遠の青い天」や四方の精霊に捧げるため、ゲルの外やベランダから空に向かって撒く(ツァツァル・テリフ)儀礼が行われる。これは家族の健康と道中の安全を祈る神聖な習慣である。