🎯 概要
モンゴルの伝統帽子は、季節・性別・年齢・社会的地位・部族・用途によって形態と装飾が細分化され、200種類以上の様式があるとされる。
帽子は防寒・日除けなどの実用性に加え、身分や所属、儀礼的役割を示す装身具として位置づけられる。
踏む・地面に置く・他人の帽子を無断で被るなどは禁忌とされ、帽子は丁重に扱うべきものとされる。
📖 詳細
1) 用語と構成要素(部品名)
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гадай(ガダイ:天辺の飾り):天頂部の円形装飾。身分・所属を示す要素とされ、貴族は金属製、一般層は布製とされる。
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залаа(ザラー:房飾り):赤色の房が典型。長さ・本数などで身分差を表すとされる。
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сагалдарга(サガルダルガ:結び紐):顎下で結ぶ固定紐。風で飛ばされないよう留める目的。
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形態の基本:尖った頂部または丸屋根型が多い。下向きの縫い目は太陽光線を模し、その配置は民族ごとに差があるとされる。
2) 主素材
フェルト、革、および羊・キツネ・テンなどの毛皮が中心。地域や季節により絹地・刺繍・毛皮縁取りなどが組み合わされる。
3) 季節別の代表例
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冬用:лоовууз(ローボーズ):尖頂の防寒帽。キツネ・羊・テン毛皮などを用い、男女兼用とされる。青絹に金糸刺繍+テン毛皮縁取りの伝統例が挙げられる。
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冬用:セーギー(ウシャンカ):ウサギ毛皮の耳当て付きロシア風帽子。厳冬期に用いられる。モンゴル伝統帽子
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夏用:хилэн малгай(ヒレン・マルガイ):通気性の良い布製で、つばが広く日差しを避ける用途。モンゴルの帽子
4) 身分・用途別の主要類型(用語中心)
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ジャンジュン・マルガイ(将軍帽):頂点に玉と房飾りを持つ格式高い帽子。モンゴル伝統帽子
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ダロー・マルガイ:傘状の形態で顎紐を結ぶ型。裏地にキツネ毛皮を用いる例が示される。モンゴル伝統帽子
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ヨクト・マルガイ:丸いキャップ状の帽子。モンゴル伝統帽子
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богтог/ボクタ(ボグドグ):元朝期(13–14世紀)の高位貴族女性用儀礼頭飾り。約1mの円筒形で、針金や木枠に絹・フェルトを巻き、真珠・金工・孔雀羽などで装飾し、地位表示の役割を持つとされる。モンゴル伝統帽子
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овоодой(オヴォードイ):ラマ僧の儀式用帽子。モンゴルの帽子
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оргой(オルゴイ):シャーマンの儀式用帽子。鳥の羽や鈴などの装飾を伴うとされる。
5) 文化規範・象徴(客観記述)
帽子は高貴な衣装として扱われ、踏む・不適切に置く・他人の帽子を被る行為は禁忌とされる。モンゴル伝統帽子