綱渡りをしながら皿回しをする。しかも命綱は無しだ。

背中にも赤子をおぶっていて、その重みと責任感で足元がふらつく。

しかも、他の人が回しきれないからといって、
皿回しの皿を次から次へとこちらに投げてよこす。

バランスをくずさないように必死になって、歯をくいしばりながら受け止める。

こめかみからは、冷たい汗がしたたり落ちる。

というような、まるで曲芸のように殺人的な忙しさが何か月も続いていたが、
やっと解放されるめどがたってきた。

とにかく死なないで済んだ。