賛光精機が100%出資の現地法人「モンゴルジャパンサンコウ」を設立したのは、2005年1月。現在は12人のモンゴル人がアルミ精密部品加工の仕事に取り組んでいる。「モンゴルに惚れ込んだ」と言う清水崇司社長は「いずれ現地での営業もしたい」と夢を膨らませる。
2001年1月、埼玉県本庄市にある賛光精機本社工場に3人のモンゴル人がやってきた。研修生として3年間工場で働くためである。これが同社とモンゴルとの最初の出会いだった。
同社はそれまでにも外国人労働者を雇用した経験があった。3人のモンゴル人はこれまでのどの国の労働者よりも勤勉で真面目だったという。
「当社では事務機やロボット関連の精密部品を加工しており、24時間操業で夜勤も休日出勤もあります。だから日本の若い人には敬遠され、人手不足の状態が続いていました。しかしモンゴルの研修生は夜勤もいとわず一所懸命働いていました。目を離していても気を抜いたりせず真剣に仕事に取り組み、信頼できましたし、とても優秀でした」
やがて3年が過ぎ、研修期間を終え、研修生たちは帰国していった。これで同社とモンゴルとの縁も切れたかに思えた。ところが2004年の初夏、帰国した研修生のひとりから清水社長のもとに国際電話が入った。7月にはモンゴルで「ナーダム」と呼ばれるお祭りがあるので、遊びに来ないかという誘いだった。清水社長がモンゴルの研修生を高く評価したのと同じように、研修生たちも清水社長に親しみを抱いていたのだろう。この誘いに応じて清水社長は初めてモンゴルを訪れた。
「時間がとてもゆったりと流れているようで、すっかりはまってしまいました」
このとき、清水社長は「モンゴルに工場を出してみたい」と思ったのだという。
http://www.smrj.go.jp/keiei/kokurepo/case/017915.html