前日、モンゴルの首相が来日して麻生首相との会談が行われ、日本とウラン分野の共同開発に関する覚書が交わされたがが、ストックステーションの記事によれば、丸紅や三井物産が採掘権獲得に動くとの報道がなされたようだ。
http://www.stockstation.jp/stocknews/20545

最近、モンゴルでは新国際空港の建設計画が進められており、すでに設計図も作成されている。この空港建設費用の一部は日本側のソフトローンでまかなわれることになっている。今回、この覚書で日本に対してモンゴル国内でのウランの探査権なとが与えるが、これと引き換えに、日本から空港建設のための資金的援助を得られるよう希望しているらしい。

そもそも、モンゴルは地理的に複数の大国に囲まれているため、社会主義の崩壊以降はモンゴルへの影響力を特定の国だけに集中させることなく、いくつかの国と均等に外交関係を結ぶというバランス外交を標榜している。ウラン開発についても同様で、投資に名乗りをあげている中国の過度の影響力を避けるという狙いもあって、日本への参加を呼びかけたらしい。とはいえ、すでに条約などを交わしたロシアやフランスなどに比して日本に対して特に優遇的な措置を約束しているわけではない。

今回のモンゴル首相の来日にはこういった背景がある。官僚がお膳立てしたのだろうが、資源が皆無に近い工業立国である日本の将来にとって、かなり重要な取り決めが行われた会談なのである。麻生首相も、ああ見えてもそれなりにやることはやっていたようだ。