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Month: September 2007

モンゴル歴代の文人(2)

【ザナバザル(初代ジェブツンダムバ、オンドル・ゲゲーン)】(1635-1723) モンゴルの初代活仏であり、17世紀を代表する仏教芸術家。「東洋のダヴィンチ」とも評される。1639年、五歳のときに、「ゲゲーン」という称号を贈られ、ハルハ地方初の活仏となった。 また彼は、ソヨンボ文字を作った人物しても知られる。この文字は1686年にインドのランズ文字を元に作られた。モンゴル語だけでなく、チベット語、サンスクリット語の音をすべて表せように工夫されている。

モンゴル歴代の文人(1)

【チョイジ・オドセル(チョエキ・オェセル)】 十四世紀初頭にかけて活躍した、文法家・翻訳家・詩人であり、モンゴル仏教とチベット仏教の高僧。そのチベット語名を翻訳して「ノミン・ゲレル(法の光)」とも呼ばれる。彼は『ボルハニ・アルバンホヨル・ゾヒオンゴイ(Бурханы арван хоёр зохионгуй)』という書をチベット語で著しているが、後にそれをモンゴル語訳した書の巻末には「法を輝かしめたことにより、チョイジ・オドセルとして名を馳せた」(リゲティ, 1966, 142)と記されている。このことからして、チョイジ・オドセルというのは本名ではなく、後に与えられた号であることがわかる。幼名をタクメドドルジェといい、一般にはパクパオドの名で知られていた。 チョイジ・オドセルは1305年に『蒙古文啓蒙(Зүрхэн тольт)』というモンゴル語の規範となるものしては初めての文法書を著し、さらにインドの言語やチベット語で書かれた数多くの書物(Бодичария аватара, Банзрагч, Жамбалцанжидなど)をモンゴル語に翻訳した。また、彼が翻訳した書物の前書きや後書きに記された詩などからして、優れた詩人でもあったことが伺える。 彼のもっとも大きな功績としては、ツァガーン・トルゴイを完成させたことにある。かつてサキャ・パンディタが作ったモンゴル文字では「a, e, i」の3母音しか表せなかったが、これに「o, ö , u, ü」を加え、さらに外来語表記のための文字をいくつか加えた。 また、文法用語を整備し、文法語に当たる語が男性・女性・中性で完全に符合するように定めたことも特記すべきである。 <参考文献> Д. Цэрэнсодном, “Монгол уран зохиол (XIII-XX зууны эхэн)”, 1987. 嘉木揚凱朝『モンゴル佛教の研究』, 法蔵館, 2004.

モッツアレラチーズとアーロール

最近スーパーで出回っているモッツァレラチーズなるものを買ってみた。おいしそうなので、つい我慢しきれずにスプーンで一すくい取って食べてみた。 この味はモンゴルのアーロール(ホロードともいう)というチーズとそっくりではないか。正確にいうと、アーロールを作る段階で、まだ乾燥させていない生のアーロールの味である。 さっそくモッツァレラチーズの作り方を調べてみると、大枠ではほとんど作り方は同じようだ。いずれも乳を乳酸発酵させて加熱し、カードとホエー(乳清)を分離させて作る。ただし、モッツァレラチーズでは凝固のためにレンネットを使用する点が大きく異なるようだ。 モッツァレラチーズを乾燥させればアーロールそっくりになるのではないかと思われるが、あいにくこの雨ではなかなか乾かないだろう。

モンゴルへのお土産(モンゴル国編)

モンゴルに行くことになったら、どんなお土産を持っていったらよいだろうか。ちょっとした観光旅行で行くぐらいなら、たいした土産も要らないが、現地でフィールドワークなどのために長期間滞在する場合、お世話になった人に贈る場合、どんなものが喜ばれるか挙げてみよう。 まず、ウランバートルなどの都会に住むモンゴル人だったら、やはり都会的なものが好まれる。多少値は張るが、日本製の腕時計などは人気だ。もしとても親しい相手でとてもお世話になったとしたら、スーツやバッグなどが非常に喜ばれる。それほど予算がないとなったら、ちょっとしたスカーフ、髪留め、ブローチなど、一般に見につけるものなら何でもよいだろう。ただし、伝統的に帽子を贈る習慣はないので注意。 食べ物では日本酒が人気だ。それほど銘柄にはこだわらなくてよい。モンゴル伝統のミルクウォッカと口当たりが似ていると評判だ。日本ではあまり売られていないが、ドイツ製の大きな箱入りのチョコレートもよくプレゼントとしてやり取りされる。これは現地で購入可能だ。日本製の飴などもよいだろう。 遊牧地に行くとしたら、防災グッズ売り場で売られている手回し発電式のライト付きラジオなど、グッドアイデアだと思う。食品ならやはり日本酒や飴がよいだろう。日本からもっていくとかさばるので、遊牧地で配る分は現地で調達してもよい。ツァガーン・アルヒというお酒が遊牧民には好まれる。飴はキロ単位で購入可能だ。どの程度お世話になるのかにもよるが、一世帯あたり500gぐらいをビニール袋に入れて手渡せばなんとか形になる。 また、100円ショップで大量に買っていって、驚くほど好評だったのがウォールポケットである。ゲル(移動式住居)の入り口付近にぶら下げて、歯ブラシや櫛などをまとめてしまっておくのに便利なのだ。遊牧地用のお土産としては、色はなるべく華やかなものが好まれる。

国内モンゴル語研究最前線(4)

【ハラホト文書】 ハラホト文書とは、1983・1984年に中国内モンゴル文物考古研究所・アラシャン盟文物考古站によって、内モンゴル自治区の遺蹟であるハラホト(黒水城)において発見された元朝期の文書である。 2001年11月に、早稲田大学の事業推進担当者が内モンゴル大学の研究者と共同研究することを目的とし、同大学のチメドドルジ教授と協定を結び、本格的な研究に着手している。 ハラホト文書の総文書数は3000点とされる。今回の共同研究で研究対象とされたのは209点で、そのうちモンゴル文書は154点である。ウイグル式モンゴル文字文書70点とパクパ文字文書15点の計85点はすでに解読済みである。解読不能な文書は断片的に過ぎるものが多いという。 協定の関係で、これ以上の研究の詳細については言及を控えるが、できれば2007年度中には文書のカラー写真を付した報告書を刊行する予定だと、早稲田大学モンゴル研究所の吉田順一教授は語っている。