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Month: November 2008

蒙学三書

韓国で出版された『奎章閣資料叢書 語學編(八) 蒙語類解 捷解蒙語』(ソウル大学校奎章閣韓國學研究所, 2006)という影印本を入手した。これで『蒙語老乞大』、『捷解蒙語』、『蒙語類解』のいわゆる「蒙学三書」が揃ったことになる。なお、『蒙語老乞大』については、すでに『國學資料第3輯 蒙語老乞大』(西江大学校人文科学研究所, 1983)という同じく韓国で出版された影印本を入手済みである。 これらは、ハングルで記されたモンゴル語の教科書および辞書であり、モンゴル文字で書かれた文章の脇にハングルでルビが振ってあったり、漢字を見出し語としてその訳語が朝鮮語(韓国語)とハングル表記によるモンゴル語で書かれてあったりと、見ていてとても楽しいものである。いや、楽しいと感じるのは一部のマニアックな人だけじゃないの、というツッコミは置いといて・・・・・・。 さて、蒙学三書の研究状況であるが、現在最も盛んに研究を行っているのはおそらく松岡雄太氏(九州大学)であろう。氏は日本モンゴル学会、韓国の国語学会においても活発に研究発表を行っている。 過去には、小沢重男「中・韓・蒙・対訳語彙集 「蒙語類解」 の研究 (1) : 朝鮮語と蒙古語との若干の音韵対応にもふれて」, 『東京外国語大学論集』(1961)といった優れた論文が発表されている。同論文は主に、『蒙語類解』中のすべての語(漢語を見出し語とする)について、モンゴル語部分にローマ字転写をほどこし、それに対応する現代モンゴル語、モンゴル語文語、日本語訳を記したものである。 『蒙語老乞大』の研究としては、島根県立大学の井上治教授が金度亨氏と共同で、「蒙語老乞大 テキストのローマ字転写と和訳」という論文を『中國語學研究 開篇』に発表している。論文は2002年以来、各巻の転写ごとに毎年1本のペースで発表されている。 この他にも、竹内弘行「蒙学三書について」, 『名古屋学院大学外国語学部論集』(1995)という論文があるようだ。まだ確認していないが、こちらはひょっとすると啓蒙の「蒙」かもしれない。

国立国会図書館の近代デジタルライブラリー

国立国会図書館では、大正期、明治期の蔵書の一部を画像化してオンラインで公開している。現在(2008年11月)では約101,400タイトル(約148,200冊)が提供されている。 モンゴル語関係の資料はまだ少ないようだが、村田清平編『蒙古語独修』(岡崎屋書店, 1910)の本文画像を閲覧することができる。やはり画像の公開には、文化庁長官の裁定手続きなど、著作権問題をクリアしなければならないようだ。 http://kindai.ndl.go.jp/BIBibDetail.php

国際仏教学大学院大学のモンゴル関係蔵書

国際仏教学大学院大学の付属図書館では、モンゴル関係の蔵書が充実している。 http://www.icabs.ac.jp/lib/index.html 『蒙古語訳甘殊爾』をはじめ、内モンゴルで出版されたモンゴル関係の書籍が数多く揃っている。昭和初期のモンゴル語教科書、辞書なども含まれており、中には他の図書館ではめったにお目にかかれないようなものもある。 今回、吉原公平訳『ボグド・ビダルマサヂ汗物語 : 蒙古文学』ぐろりあ・そさえて, 1940.という書物の存在を初めて知った。吉原公平の訳書にはシッディ・キュルを英語から日本語に訳したものがあるが、同書も英語から訳されたものだろうか。