前回までに各図書館の蔵書を調べる横断検索の方法を紹介したが、やはりこれだけでは全ての図書館の蔵書を調べることは難しい。しらみつぶしに探そうとするなら、やはり個々の図書館のOPACを使って気長に探したほうがよいだろう。それではこれまでに紹介したリンクに含まれていなかった図書館を順不同で紹介する。
財団法人東洋文庫
(http://www.toyo-bunko.or.jp/)
ここの図書館なくしてモンゴル語学を語ることはできないほど、貴重な書籍が豊富に収められた図書館である。モンゴル語書籍は、ホームページの[データベースの検索]→[Ⅰ書誌]→[モンゴル語資料 検索]を辿っていけば検索することができる。また、同じく[Ⅰ書誌]のページの[キリル文字資料]からも検索することができるが、キリル文字モンゴル語は[モンゴル語資料 検索]から検索したほうがよい。こちらからはむしろ、ロシア語で書かれたモンゴル語、ブリヤート語などに関する書籍などを検索することができる。
早稲田大学図書館蔵 モンゴル語書籍目録(Unicode版)
(http://db2.littera.waseda.ac.jp/wever/mongol/goLogin.do)
トップページには「中国刊行 モンゴル文文献目録」と書かれているが、モンゴル国において刊行されたモンゴル語書籍も検索することができる。歴史、文化、社会制度などに関係した書籍が豊富だ。近年に刊行された辞書、用語集はおそらくここの図書館の蔵書が最も充実しているだろう。
早稲田大学 学術情報検索システム(WINE)
(http://wine.wul.waseda.ac.jp/)
意外と見落とされがちだが、早稲田大学にはかつて語学研究所という機関があったため、旧語学研究所の蔵書にも多少のモンゴル語書籍がある。これらは上述の「早稲田大学図書館蔵 モンゴル語書籍目録目」には含まれていないようなので、早稲田大学の図書館蔵書として検索すればよいだろう。
東京大学OPAC (https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac-query)
東京大学の言語学科には服部四郎、小沢重男などの優れたモンゴル語学者も在籍していた経緯もあり、さらに東洋史関係の資料も含めると、モンゴル語書籍の蔵書はかなり豊富である。ただし、最近になって刊行されたモンゴル語書籍はあまり充実していない。
東京大学東洋文化研究所漢籍目録 http://www3.ioc.u-tokyo.ac.jp/kandb.html
文字通り漢文で書かれた書籍が主に収められている。「蒙」というキーワードで検索すると、「啓蒙」だの「蒙求」だのと関係ないものもかなりひっかかるが、ちまちま探していくとモンゴル語関係の書物を見つけることができる。『東大東洋文化研究所所藏江上博士收集蒙文佛典』などという書物も収められており、管見の限りでは唯一ここの図書館にしかない珍しいものだ。
というわけで、続きはまた後ほど。