モンゴル語の表記には、ご存知の通り何種類もの文字が使用される。現在使用されているものとしては、キリル文字、ウイグル式モンゴル文字などが代表的だ。キリル文字は横書きで、ウイグル式モンゴル文字は縦書きなので、これらをそれぞれ横文字、縦文字と呼んで区別する場合もある。

ところが、「世界の特殊文字ウィキ」というサイトの以下の記事によると、ウイグル式モンゴル文字には横書き体も存在していたらしい。
http://wiki.livedoor.jp/qvarie/d/%b3%c8%c4%a5%a5%e2%a5%f3%a5%b4%a5%eb%ca%b8%bb%fa

ウイグル文字は古代ウイグル語を書き表すために使われていた文字で、もともと横書きの文字だったが、しだいに縦書きで用いられるようになった。13世紀になると、このウイグル文字はモンゴル語でも用いられるようになった。あいにく私は古代ウイグル語には全く詳しくないのだが、モンゴルに伝えられた当時のウイグル文字はすでに縦書き体になっていて、それがそのままモンゴル語でも縦書き体として採用されたと見なすのが妥当だろう。もしこの考え方に基づくなら、横書き体はもっと古い時代のものということになる。おそらく「先祖返り」という記述はこのことを指すのだと思われる。

ウイグル式モンゴル文字に横書き体が存在していたというのは初耳であった。ガセネタなどではなく、果たして本当の話なのか非常に気になる。そこで、”Versuch eines w醇rrterbuches der t醇вk-dialecte”という辞書について調べてみたところ、東洋文庫に所蔵されていることが明らかになった。今度、近いうちに同図書館を訪れて確認してみたいと思う。