島根県立大学メディアセンターには、故服部四郎の所蔵していた書籍を集めた「服部四郎ウラル・アルタイ文庫」が存在する。

http://ekanji.u-shimane.ac.jp/hattori/kiyaku.jsp

服部四郎といえば、言語学の権威であり、日本語とその近隣の諸言語についても幅広い研究を行った人物として有名である。モンゴル語関係の主な著作としては、『蒙古とその言語』湯川弘文社(1943年)、『蒙古字入門』文求堂(1946年)、 『元朝秘史の蒙古語を表はす漢字の研究』文求堂(1946年)などがある。

同文庫にも、その研究活動を反映して、言語学を中心とする幅広い分野の書籍、資料が収められており、所蔵数は約1万5千点とのことだ。また、同文庫ホームページの表紙を飾る『モンゴル語-ロシア語辞典』の存在は、特筆すべきものである。

惜しむらくは、まだデータベースは作成されておらず、寄贈者によって作成された手書きの目録の画像、書架に書籍類が収められた状態を撮影した画像のみがオンラインで閲覧可能である。利用規約によると、これは暫定的なものであり、今後はデータベースを改善予定だとのことだ。とはいえ、当然といえば当然のことながら、「データベース」、「目録」、「書架画像」、「目録画像」に至るまで事細かに著作権が定められており、いろいろと紹介したいものはあったが、おいそれと引用するには憚られる印象を受けた。

ここでは利用者の便宜のために、モンゴル語書籍は目録画像の303ページ、591ページ周辺を探すとよいということを一言付け加えておきたい。