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犬の声が近い

2010-03-14 | できごと

モンゴル語で、物事が終盤に差し掛かることを「犬の声が近づいてきている」と表現することがある。モンゴルの草原を馬で旅していると、進めども進めども全く人家に行き当たらず、まさに大海を舟で渡っているような気持ちにさせられることがある。大航海時代の船乗り達は、カモメを見て陸地が近づいていることを知ったというが、草原でゲルが近づいてくるにつれて聞こえてくる犬の鳴き声はそれに近いものがある。 長く苦しかったモンゴル語工学用語辞典の編纂作業も、ようやく終わりに近づいてきた。といっても、まだ犬の声が遠くでかすかに聞こえるに過ぎないのだが。 山登りに喩えるならば、ようやく頂上付近に差し掛かったといったところだが、頂上が近づくにつれて道のりの険しさもいや増しになってきた。まだまだ油断はできない。

今朝のフジテレビのニュースで、朝青龍がモンゴルに帰国して行った記者会見について報道されていた。同局のリポーターがインタビューしようとして無視されたとのことで、ニュースキャスター達も憤慨した様子だった。会見はすべてモンゴル語で行われ、日本語での質問には一切応じてもらえなかったそうだ。 さらに、スポーツ新聞各紙は「朝青龍がモンゴルで日本の悪口を言いたい放題言っていた」と報じていたようだ。しかし、天下のフジテレビでさえも通訳を同行させずにモンゴルに取材に行ったほどなのに、他のスポーツ新聞の記者にそれほどの取材力があるのかはなはだ疑問だ。 たまたま朝青龍の記者会見の映像がネット上で手に入ったので、耳を澄まして聞いてみた。しかし、朝青龍は極めて穏やかな口調で、胸中に去来する満干の想いをしみじみと語っているに過ぎなかった。発言中にはどこにも日本の悪口らしき言葉は見出せなかった。 http://www.youtube.com/watch?v=8AkpX-LTvq4&feature=player_embedded もちろん、映像が途中で途切れているので、その後で別の話をした可能性もあるだろうが、前半これだけ穏やかな口調で語っていたのに、このすぐ後で突然人格が変わったように支離滅裂なことを言い出すとは考えにくい。 実は今日、翻訳会社から私宛にメールがあり、今日の夕方テレビ局でモンゴル語の映像翻訳(ビデオ書き起こし)をという依頼があった。私自身も真相を知りたい気もするし、仕事として面白そうではあったが、あいにくスケジュールの都合がつかないので申し訳ないが断らせていただいた。 <共同通信社による関記事>http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010031101000581.htmlhttp://www.47news.jp/CN/201003/CN2010031101000734.html

建築基礎の図説

モンゴル語による独立フーチング基礎と布基礎の図説を見つけた。http://www.barilga.mn/Image/content/Suuri-zuvlugu-2.jpg 比較のために日本語の図説も探したのでメモしておく。http://www.eonet.ne.jp/~heya/nunokiso1.gif

働きアリの法則

2010-01-28 | 未分類

最近、冠婚葬祭の準備は動かなかった者の勝ちという結論に達したが、大学のプロジェクトでもそうらしい。組織が大きくなればなるほど、指揮命令系統が複雑になり、どうしても誰かコマンド待ち状態の人が生じてしまう。もちろん本人には悪気はないのだろうし、指示もされていないのに勝手に動いてしまっては統率が乱れて大混乱に陥る恐れもある。 組織の内部で指示内容と指示内容が矛盾しないようにするためには、できる限り少人数の人が指揮を取るのが望ましいわけだが、そうすると指揮を取る役割の人に過度な負担が集中する。単に指示を出していればそれで事が足りるならばよいのだが、指示内容だけでは処理しきれない例外的な状況も当然発生するわけだから、そうするとその処理に対する指示を求めて質問のフィードバックが集中する。 しかも、下の者が必ずしも指示通りに動いてくれるかというと、そうとも限らない。やれ機械の歯車になるのは嫌だとか、ロボット扱いされただの、いろいろとうるさい事を言い出す者も必ず出てくる。そればかりか、すんなりと動いて欲しくてちょっとでもきつい事を言えば、威張り散らして態度が傲慢だなどと逆恨みされる可能性もあり得る。中には、親代わりに頼ってやっかいな人生相談まで持ちかけてくる輩もいるだろう。 組織全体の動きとして、重要度が低い物事はできる限り下のレベルの者で処理しておいて、いざ重要な事項の決定は上に立つ者が判断を下せるように、本来はアイドリング状態にしておくのが望ましいはずだ。将棋に例えて言うならば、なんでもかんでも王将を動かして解決するのはへぼ将棋だ。 しかし、人間とは本来それほど勤勉な生き物ではないようだ。ましてや大きな組織にもなると、組織内部の細かな動きが直接自分の存在に影響を及ぼす割合も下がってくるから、組織全体として辻褄さえ合っていれば、動かないで済むものは動かないでおこうという発想になるのは、まさに当然といえば当然だろう。 人間ばかりではなく、勤勉という印象の強い働きアリですらそうであるらしい。「働きアリの法則」というものがあって、働きアリの群れのうち実際に働く個体は80%にしか過ぎず、残りの20%は全く働かないのだという。しかもその働かない20%の個体を取り除いても、今度はその残りのうち働くのはやはり80%になってしまうのだという。この話は聞きかじっただけなので真偽のほどは不明だが、確かにこれは人間社会にも当てはまるような気がする。 さっき、やっと出典を見つけた。以下のファイルのpp.22-23の長谷川英祐「お利口ばっかりでも,たわけばっかりでもダメよね! ~「集団」行動の最適化~」という論文だ。怠ける個体の存在も、群れの存続のためには何らかの寄与をしている可能性があるといった興味深い議論だ。http://wwwsoc.nii.ac.jp/jes2/NL/NL43_web.pdf

Badral氏のブログ

オンラインモンゴル語辞典ボロル・トリの管理運営者であるバドラル氏がブログを再開したとの情報を、先ほど本人よりいただいた。 昨年末頃、バドラル氏は都合でしばらくネット接続できなかったのだが、その隙に第三者が同氏のアカウントを横取りしてしまったため、しばらくブログが閉鎖された状態が続いていたという。このたび新しいアドレスを取得してブログを再開したとのことだ。新アドレスは下記の通り。http://www.badral.net/

MoneyGramによるモンゴル宛て送金

日本にはブラジル系のイタウ銀行が大手町にあり、そこからモンゴル宛ての送金ができる。現地に口座がなくても住所宛に送金可能で、約10分で現地の銀行から受取れる。例えば20万円を送金した場合、手数料は8000円とのことだ。 イタウ銀行コールセンター: 0120-482858

光明

2010-01-08 | できごと

やっと一筋の光が射してきたようだ。これでなんとか乗り越えられそうだ。

モンゴル語よた話

テレビを見ていたら、超新星バーストの話をしていた。思わず”цоо шинэ бааст”とつっこみを入れたくなった。ていうか、сэйが抜けてるけど、どうなのよ。 цоо шинэ сая бааст うーん。語呂が悪い。むしろцоо шинэ сайн баастとか?ちょっと苦しいかしら。

モンゴル版知恵袋

「Yahoo!知恵袋」や「人力検索はてな」に相当するようなモンゴルのサイトを見つけた。便利そうなのでメモしておく。語彙数は少なめだが専門用語辞書も収録されている。http://www.medeelel.mn/medleg/

モンゴルのインターネット授業

モンゴル国でもインフルエンザが流行しているため、最近多くの学校が閉鎖になったが、その代替措置としてインターネットによる授業が行われているという。http://www.tvhicheel.mn/home-entire.shtml ちなみに以下は10年生(日本でいう高校生に相当)向けの英語の授業のページである。http://www.tvhicheel.mn/content/2218.shtml すべての家庭にインターネット環境が整っているとは限らないだろうが、授業のビデオをダウンロードして視聴することも可能だし、こうした試みは実に素晴らしいと思う。すでにサイトの総アクセス数は112,028を数えている。各課の教師宛ての専用メールアドレスが設けられているので、不明点はメールで質問できる。また、チャットでアドバイスを受けることも可能なようだ。これまでに808人からメールでの質問に対して回答が行われ、3410人がチャットでアドバイスを受けているという。 意外に知られていないことだが、モンゴルのIT化はかなり進んでいる。もちろん人口密度、予算、地理条件などの制約を受けてインフラ面での整備は必ずしも十分とは言えないが、人々のインターネット利用に対する意識は高い。単純に比較することは難しいが、民間レベルではむしろ日本のほうが10年ほど遅れている印象すら受ける。その辺のモンゴル人たちが自由自在にメールやメッセンジャーを使いこなし、掲示板に書き込みをしたりWebやプログを書いたりしているのに対して、日本ではパソコン教室に通って手取り足取り教えてもらわなければ何もできないという人も少なくない。いや、このプログを読みに来てくださっているような方に限ってそんなことはないと思うが。