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Category: モンゴルの食べ物

モンゴル人の味覚(6)

太古から遊牧を生業としてきたモンゴル人にとって、伝統的に油脂はご馳走であり、富の象徴でもあった。概してモンゴル人はこってりした味付けを好むようである。モンゴル料理を口にした日本人は、油っぽいという印象を抱くことが多い。 元来、モンゴルで食されてきたのはほとんどが動物性油脂だった。良質な牧草と天候に恵まれて丸々と肥えた家畜にほどよく付いた脂身は、肉の赤身部分よりもご馳走とされる。さらにその脂身を加熱することによって油が得られる。家畜の乳(主に牛乳)からも、シャルトスと呼ばれるモンゴル式バターが作られる。乳を加熱攪拌して乳脂肪分を分離させることによってウルムと呼ばれる乳製品を作り、さらにそれを加熱するという複雑な工程を経て作られる貴重品である。主にモンゴル茶に浮かべたり、パンにつけたりして食される。 近年、特に都市部においては、料理に使われる油はほとんど植物性油となっている。シャルトスなども、遊牧地域にいる親戚から送ってもらうなどしなければ入手困難であり、代わりに輸入品のマーガリンが日常的に用いられている(内モンゴルでは工場生産されたシャルトスを購入することができるし、マーガリンを食べる習慣はない)。脂肪の摂りすぎは健康によくないとの認識が広まりつつあるようだが、脂身は依然として好まれている。 我が家にモンゴルの友人が滞在していた時のこと。サラダを作ろうとしたら、冷蔵庫にはノンオイルタイプのドレッシングしか入っていなかったので、買い物のついでにドレッシングも別の物を買い足した。シーザーサラダ用のドレッシングだ。こってりしていて、ほんのりチーズ味で、いかにもモンゴル人が好きそうである。これでシーザーサラダを作り、好物のチーズとコーンをトッピングしたらこれがバカウケで、彼女のお気に入りメニューの一つとなった。ノンオイルタイプの酸っぱいドレッシングだったら、こうまでは受けなかっただろう。

モンゴル人の味覚(5)

モンゴル国の都市部で一般的に手に入る野菜は、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、キャベツである。この他、トマトとキュウリもサラダに用いられる。近年ではピーマンも手に入りやすくなっている。以前は黄色いカブもよく食されていた。ちょうどジャガイモとカブの中間のような食感で、ホクホクとしておいしいのだが、最近では「あんなものは家畜の食べ物だ」と言われ、皆食べなくなったという。ボルシチの材料でおなじみのビーツ(赤カブ)も、日本に比べると手に入りやすい。モンゴルでもボルシチはしばしば食卓に登場する。この他にもウランバートルにあるメルクールなどの市場に行けばナス、大根、白菜、各種の葉物野菜、乾燥豆といった野菜も手に入るが、あまり鮮度はよくない。こうした市場はやや割高であって、一般庶民はほとんど近寄らない。そのため、これらの野菜を見たことはおろか、名前すら知らない人が多い。 モンゴル国の遊牧地域では、野菜は非常に手に入りにくい。手に入るとしてもせいぜい2~3種類で、日々の食事には野菜を全く使わないということも珍しくない。もともとあまり需要がない上に、保存や運搬にもコストがかかりすぎるのだろう。遊牧民は概して野菜を好まないが、すべての人がそうだというわけでもない。遊牧民が街に出てきたとき、野菜を食べたがるという話も聞いたことがある。調味料の項で述べたように、野生のニラやネギを食べることもあるが、使われるのはほんの味付け程度の僅かな量である。 内モンゴルの都市部では野菜は豊富である。とりあえず一通りの野菜は揃うし、日本では見かけないような野菜もたまに売られている。これらの各種野菜を使った中華風の野菜炒めは日常的に食されている。内モンゴルの人は、どちらかというと玉ねぎやキャベツのような洋野菜よりは長ねぎ、白菜などを好むようだ。このため、モンゴル国とは違って、ボーズ、バンシなどのモンゴル料理に玉ねぎを使うことはほとんどない。最もよく使われるのはニラで、その他、白菜、ニンジン、長ねぎなどである。 内モンゴルの遊牧地域では、野菜はやや手に入りにくいが、好んで食べられているようだ。春先の乳製品や肉の蓄えが枯渇した時期など、中華風に野菜炒めと米飯で食事をすることもある。遊牧民のお宅に行くときに、手土産に野菜を持っていくと喜ばれるという。トマトなども村の中心で手に入るが、どちらかというと高級品扱いされている。

モンゴル人の味覚(4)

モンゴル料理の代表格といえば羊肉である。それも特別な事情がある場合を除き、食されるのはラムではなくほとんどマトンのみだ。モンゴルには、成長しきっていない動物を食べる習慣はない。 モンゴルで一般的に飼われている家畜は、馬、牛、ラクダ、羊、山羊の五畜であり、これらはいずれもモンゴル料理の材料になる。モンゴル国、内モンゴルのいずれにおいても、また都市部、遊牧地域を問わず、羊の次に好まれるのが牛肉である。馬肉も好まれるが、身体を温める効果があるとされ、夏場の食用には適さないという。また、内モンゴルでも馬は食されるが、一部の地域ではタブーとされる。ラクダ、山羊の肉はさほど好まれない。 都市部では豚肉、鶏肉、魚などを食べることもある。特に内モンゴルの都市部では豚肉は日常的に食材として利用されている。ただし、鶏肉や魚はどちらかというと高級食材であり、普段はめったに口にすることはない。そのため、ご馳走というイメージを持つ人もいれば、食べつけないので好まない人もいる。ただし、缶詰の魚は比較的手に入りやすいようだ。なお、モンゴル国においても内モンゴルにおいても、スープには豚肉を使いたがらない。 魚が好きなモンゴル人でも、イカやタコなどの軟体動物、エビやカニなどの甲殻類は苦手である。市場ではドイツ製のキャビアなどが売られているが、魚卵も食べられる人は少数派のようだ。

モンゴル人の味覚(3)

モンゴル料理の醍醐味といえば、大きな骨付き羊肉の塩茹でであろう。調味料は基本的に塩だけ。いたってシンプルであるが、羊肉そのもののうまみで、ゆで汁も濃厚な出汁が出て美味しい。羊が豊富なモンゴルならではの料理である。 その他にも、ボーズ、ホーショール(内モンゴルではシャルビン)、バンシなどの羊肉を使った料理が豊富だ。材料は羊肉と小麦粉と少量の野菜。味付けはこれも基本的に塩だけである。 ただし、全てのモンゴル人が羊肉だけを食べているかというとそうでもなく、また塩味だけかというとそうでもない。 モンゴル国の都市部では、ロシアの影響もあってヨーロッパ風の味付けが好まれるようだ。最も多用される調味料は塩、胡椒だが、他にマヨネーズ、ケチャップ、固形コンソメ、ローレルの葉などがよく使われる。ツォー(モンゴル語でソースや醤油を指す語)と呼ばれるチェコ製のソースも一般的だ。稀にキャベツのサラダを作るときなどに酢、砂糖も利用されるが、極端に酸っぱい味付けは苦手なようで、料理に砂糖を入れることもほとんどない。また、概して辛い味付けは好まれない。たまに唐辛子を使用する人もいるようだが、ごく少数派であろう。スパイス類も苦手のようだ。ただし、ハーブにはさほど抵抗がないようである。モンゴルで売られている固形コンソメ(ロシア製?)には少量のハーブが含まれているし、モンゴル人が好むピクルスもハーブ味だからだと思われる。また、にんにくも比較的よく使われる。しょうがの乾燥粉末も市場で手に入るが、さほど一般的ではない。 モンゴル国の遊牧地域では、手に入る調味料は非常に限られている。ほとんど塩味だけか、たまに客人が来たときに食卓にケチャップが登場するぐらいである。それ以外の味付けにあまり慣れていないということもあるようだ。たまに野生のネギ、韮などが薬味的に使われる。 内モンゴルの都市部では中華料理の影響が強い。醤油、味噌、胡麻ペースト、黒酢、唐辛子などが多用される。生のしょうが、にんにくがよく使われるのも特徴である。たまに砂糖も使われる。スパイス類としては、中華料理でおなじみの五香粉、花椒などが好まれる。逆に胡椒はほとんど使われない。フフホトなどでは新疆出身者が屋台を出して串焼きの羊肉が売られているが、これに使われているクミンなどのスパイスにもあまり抵抗がないようである。ただし、モンゴル人自身が料理をするときにこれらのスパイスを使うことはない。ケチャップやマヨネーズなどは全く使われないといってよい。内モンゴルの都市部では中華料理を食べることが多いが、ボーズ、シャルビン、ベンシ(モンゴル国ではバンシという)などの民族料理であっても、様々な薬味や調味料を入れて味付けすることがある。味付けの仕方は同じ内モンゴルの都市部でも地方により、家庭により様々だが、醤油、五香粉などを入れて作ることが多いようだ。 内モンゴルの遊牧地域では、モンゴル国の遊牧地域と比べると人口が密集しているとはいえ、やはり買い物は不便である。そのため、調味料も都市部に比べると限られている。中華料理を作っても塩味だけということもある。乳製品が調味料的に使われることもある。煮込みうどんに発酵乳やミルクを入れたりする。日本人の感覚では奇異に感じられるかもしれないが、クリームパスタの類と考えれば納得できるだろう。地方により、生クリームの一種(ジョーヒーと呼ばれる)を使って煮込んだパスタ料理のようなものも存在する。

モンゴル人の味覚(2)

モンゴル料理は簡単か?答えはイエスでもあり、ノーでもある。 モンゴル料理を作ろうとするならば、まずは小麦粉をこねるところから始めなければならない。出来合いの乾麺や春雨を使った料理も存在するが、大部分は小麦粉生地で作られる料理である。 肉もスライス肉やひき肉など売られていない(内モンゴルではひき肉は比較的手に入りやすい)ので、牛だったら大きな塊肉、羊や山羊だったら骨付きの脚一本などを自分でさばかなければならない。ひき肉は自分で細かく切るか、ミンチ器があればそれを使う。しかし、モンゴル料理の持つ本来のおいしさを引き出すには、機械ではなく手でひき肉にしたほうがよいとされる。 遊牧地域に行けば、肉の調達も家畜をと殺するところから始めなければならない。と殺は通常男性の仕事だが、女性には内臓をより分けて洗い清めたり、大きな骨付きの肉をさばく仕事が待っている。数日間で食べきれない量ならば、肉を細長く切って吊るして乾燥させたり、凍らせたりして保存する。塩漬けにする地域もある。もっとも、モンゴル国の遊牧地域では牧地がよく家畜が豊富なので、数日に一頭の割合で家畜を消費することも珍しくないという。 遊牧民のお宅では、朝起きたら一番に主婦が竈に火をくべる。モンゴル茶を沸かすのである。燃料は乾燥した牛糞(樹が豊富な地域では薪)だが、これだけだと火がつきにくいので、小枝などを拾ってきてナイフで細かく裂いて火を起こす。私事で恐縮だが、私の左人差し指には目立たない程度ではあるものの、切り傷の痕が残っている。10年前に竈に火をくべる手伝いをした時のものだ。 モンゴル茶の材料となるミルクも、遊牧地では当然のことながら自分で搾らなければならない。これは通常女性の仕事だ。映画やドキュメンタリー番組などで見ているとシャーシャーと簡単そうにみえるが、これも慣れるまではなかなかコツが要る。まず放牧されていた母牛達を連れてきて、柵の中からその子牛を一頭ずつ放し、ちょっとだけ乳を吸わせてから力任せに子牛を引き離して柵などに括り付け、その隙に乳絞りをする。まず子牛に吸わせてからでなければ乳の出がよくない。残酷なようだが、人間が乳絞りをしないと乳を飲みすぎて子牛がお腹をこわすこともあるのだという。最後にもう一度子牛を放して今度は思う存分乳を吸わせる。 なお、都市部では近郊から売りに来たミルクを買うか、工場でパック詰めにされたものを買うことができる。内モンゴルでは脱脂されていない粉ミルクが出回っていて、どこの家庭でもよく利用されている。 もう一つ大切なことが残っていた。水汲みである。都市部でこそ水道が完備されているが、遊牧地域では川や井戸に水汲みにいかなければならない。家族総出でラクダ車にブリキの桶を積んで汲みに行くお宅もあるし、一人でバケツをぶら下げてえっちらおっちら運ぶこともある。川や井戸まで10分近くかかることもあり、かなりの重労働だ。 小麦粉、塩、茶葉などは自給自足というわけにいかないので、村の中心まで行ったときに買い込んでおくか、行商人がやってきたときに買うなどする。小麦粉は10kg単位で布袋に入って売られている。 モンゴルの遊牧地域では、これらの下準備全てができてこそ、主婦として一人前である。都市部ならば最低限、小麦粉をこねて肉をさばくことができなければならない。こう書くと、モンゴル料理は恐ろしく難しいもののように思われるかもしれないが、それはとっかかりだけである。基本をマスターさえしてしまえば、あとは胸がすく程に単純明快な世界が広がっている。

モンゴル人の味覚(1)

モンゴル料理を大別すると、モンゴル国の料理、内モンゴルの料理に分けられる。さらに、それぞれを都市部の料理、遊牧地域の料理に細分することができる。 (a) モンゴル国の都市部の料理(b) モンゴル国の遊牧地域の料理(c) 内モンゴルの都市部の料理(d) 内モンゴルの遊牧地域の料理 幸いにも私はモンゴル国、中国内モンゴルの両方とも長期滞在の経験があるし、都市の生活も遊牧地域での生活もそれぞれ体験している。そこで、これまでの見聞を踏まえて、モンゴル料理について述べていきたい。 ここで便宜的に「都市部」、「遊牧地域」と分けたが、実際にはモンゴル語における「都市部(hot)」の対立概念は「田舎(hodoo)」である。ただ、日本語で「田舎」というとどうしても農村をイメージしてしまうし、「田舎くさい」などの差別的なニュアンスも含まれてしまう恐れがあるので、ここではあえて「遊牧地域」とした。県や村の中心に住んでいる人々は遊牧を行っているわけではないが、自宅で牛を飼っていることも多く、女性の県庁職員が朝の出勤前に乳搾りをしていくなんて話も聞いたことがある。乳製品や肉類は都市部に比べると豊富だし、手に入る野菜や調味料も限られている。そこで、広い意味での酪農文化圏ということで、遊牧地域に分類しても差し支えないと思う。

モンゴル人向けメニュー25種

モンゴルの友人が、怪我の治療のために我が家に3ヶ月ほど滞在した。ただでさえ気苦労の多い外国暮らし。特に、怪我や病気で心身共に弱っている時には、できるだけ本人が楽だと思うような環境を整えてあげるのが一番である。そこで、毎日のお料理も極力モンゴル人の口に合うようにとかなり工夫した。 まず、来日後はスーパーに走って、モンゴルでも手に入るような野菜のみを大量に買い込んだ。根菜類御三家(私が勝手に名づけたのだが)であるジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ。そしてキャベツとトマトときゅうり。モンゴル人が日常的に食べつけている野菜といえばこのぐらいである。さらに、我が家のナイR氏には、会社帰りに肉のハナマサに寄って牛肉と羊肉を買ってきてもらった。そして小麦粉が数袋。最初はこれだけの材料だけでスタートさせた。味付けはモンゴル人好みに塩こしょうだけのシンプルなもの。たまに、本国でもよく使われるケチャップとマヨネーズも利用した。 様子をみて、週に1種類のぐらいのペースで野菜の種類を増やし、メニューも日本の家庭料理風なものを取り入れていった。ちょうど彼女は近々結婚をひかえているので、どうせだから色々な料理の作り方を覚えていきたいという話になった。そこで、モンゴルで比較的安価に手に入る材料を使い、かつモンゴル人の味覚に合わせた献立作りが始まった。 一番最初に食べさせたのはオムライス。チキンライスを卵で包んでケチャップをかけただけの古典的なやつで、オムライスの上に彼女の名前をモンゴル語で書いてあげたら大喜びで、写真に撮ってくれとせがまれた。次にトライしたのはトンカツ。これも大当たりで、日記帳に作り方をメモしていた。モンゴル人の嗜好を熟知している人にとっては意外かもしれないが、トンカツに添えたキャベツの千切りまで気に入ったという。「ブルドッグソースをかけて食べるとおいしい」と言うのだ。 ついには、大学ノートを1つ用意して、料理の作り方をメモしたレシピ帳を作成することになった。最初のうち本人は「ノートが60ページあるから、レシピ60種を覚えて帰る」と豪語していたが、結局最終的に伝授したレシピは25種となった。3ヶ月の滞在にしては少ないと思われるかもしれないが、モンゴル料理を作ったり、ナイR氏の要望で日本料理を食べた日もあったし、殺人的な忙しさだったので、お惣菜を買って済ませただけの日もあったからだ。 何はともあれ、色々と工夫した甲斐あってか、何を作って食べてもおいしい、おいしいと言って食べてくれ、「日本料理はおいしい」と固く信じたまま、無事帰国の途に着いたのであった。本当のところ日本には、モンゴル人の口に合わないような料理も山ほどあるのだが・・・・・・。

モッツアレラチーズとアーロール

最近スーパーで出回っているモッツァレラチーズなるものを買ってみた。おいしそうなので、つい我慢しきれずにスプーンで一すくい取って食べてみた。 この味はモンゴルのアーロール(ホロードともいう)というチーズとそっくりではないか。正確にいうと、アーロールを作る段階で、まだ乾燥させていない生のアーロールの味である。 さっそくモッツァレラチーズの作り方を調べてみると、大枠ではほとんど作り方は同じようだ。いずれも乳を乳酸発酵させて加熱し、カードとホエー(乳清)を分離させて作る。ただし、モッツァレラチーズでは凝固のためにレンネットを使用する点が大きく異なるようだ。 モッツァレラチーズを乾燥させればアーロールそっくりになるのではないかと思われるが、あいにくこの雨ではなかなか乾かないだろう。

シャパレとホーショール

チベットにはシャパレという食べ物があるそうだが、まだ食したことはない。ネットで調べたところ、パイ包みの中に餃子の具のようなものが入っているもの、カレーパンサイズの揚げ餃子などと説明があった。ラサでは簡便化したものなのか、揚げパンに肉を挟んだだけのものが売られているという。 先日購入した”Imperial mongolian cooking”にもシャパレの作り方が載っていたが、これはオーブンで焼くタイプだ。小麦粉の生地で皮を2枚作って間にひき肉を挟んで焼く。同書の著者のお祖父さんは、これを”モンゴル・ピロシキ”と呼んでいたそうだ。 もちろんこれはチベット料理であって、モンゴル料理ではないのだが、モンゴルにもホーショールというそっくりの料理がある。これは一枚の皮にひき肉をつめて、平たくして油で揚げて作る。 はたしてシャパレとホーショールのいずれかがルーツなのか、あるいは遊牧生活の文化の中で似たような料理が生まれたのか、定かではない。

モンゴル宮廷料理

先日、”Imperial Mongolian Cooking”という本を購入した。 http://www.amazon.co.jp/gp/product/0781809991/sr=1-1/qid=1186928086/ref=olp_product_details/503-8984080-3708768?ie=UTF8&qid=1186928086&sr=1-1&seller= 一冊の本が書けるほどにモンゴル料理(乳製品を除く)がバリエーションに富んでいるのかと、半信半疑で購入したのだが、はたして内容については「微妙」としか言いがたい。どうやら、かつてモンゴル帝国時代にモンゴルの領土に含まれていた地域の民族料理、郷土料理を網羅しているようだ。 チンギス・ハーンが羊肉の塩茹で以外に、サラダやシーフードまで召し上がったとはとても想像しがたいが、統治下の民衆が食していた可能性は否定できないだろう。そういう意味では、中央ユーラシアの食生活の片鱗を伺うための書として捉えれば、たしかに一読の価値はある。 今日、さっそくウズベク式プロヴ(チャガタイ・ハン国料理)という料理を作ってみた。ピラフのルーツの一つともいえる料理である。みじん切りにした玉ねぎ、ラム肉、人参をオリーブオイルで炒め、インディカ米と水を入れて蒸らすこと15~20分で完成だ。仕上げにパセリを散らす。火加減が難しいので多少お米に芯ができてしまったが、初めてにしてはまずまずの出来だった。次回の成果に期待しよう。