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Category: モンゴル語研究

昭和初期のモンゴル語入門書

夜中に眠れないので漫然とネット検索をしていたら、古本屋のサイトでモンゴル語関係のちょっと珍しい本が売られているのを見つけた。 「蒙古語四週間」神谷衝平著 大学書林 昭和17年 500円「蒙古秘史」中華書局 1956年繁体中国語の本 500円「標準蒙古語会話」小島武雄 昭和13年 500円「日蒙会話練習帖」大学書林 昭和49年ニ版 300円 「これはお宝だ!」とばかりに、衝動的に注文フォームに住所氏名を入力送信して、4冊すべて購入を申し込んでしまった。すでに時刻は午前5時を回っていたと思う。 なにぶんにネットの情報なので、「実はもう売り切れ」というのを危惧していたが、幸い翌朝お店から確認のメールが届き、注文を受け付けたので当日中に発送するとのこと。まとめての注文なので、送料は340円のみでいいそうだ。送料込みで計2040円、なんとも良心的な値段である。 今回購入した書籍のうち、特に昭和17年刊の『蒙古語四週間』などは、どうやら縦書きのモンゴル語で文法事項を説明したものらしく、現在ではなかなか手に入らない貴重なものである。 今朝もう一度その古本屋のサイトを見てみたら、昨晩購入済みの本はさっそく目録から削除されていた。すばやい対応だ。モンゴル語関係の書籍は私がごっそりと買い占めてしまったのでもう無いが、別の趣味を持つ人にとってなにか掘り出し物があるかもしれない。参考までにURLを挙げておく。 へそまがりほんや http://gallerytoku.hp.infoseek.co.jp/index.htm ��追記>購入した本が届いたが、昭和17年刊の『蒙古語四週間』は期待はずれだった。縦書きのモンゴル文字は表紙と最初の数ページの文字の説明だけで、中身はほとんどローマ字表記されたモンゴル語とその日本語での解説である。ローマ字は、伝統的なモンゴル語学でよく用いられるモンゴル語の音声表記(音韻表記?)のようだ。それでも、発音記号を今日のモンゴル語の発音を比較すれば何か新たな発見があるかもしれないし、いずれにせよ当時のモンゴル語の概要を知る上では役に立つ資料といえよう。

モンゴル語研究論文リスト(1)

『言語研究』第1~50号に掲載されたモンゴル語関係の論文 服部四郎,「蒙古語文語の起源について」, 『言語研究』(第3号)P1, 1939.Haenisch E., Manghol un Niuca Tobca’an., 『言語研究』(第3号)P89, 1939.野村正良,「蒙古語喀喇泌中旗方言に関する若干の覚書, 『言語研究』(第9号)P80, 1941.達喇古●尖,「發思巴字興中州音韻」, 『言語研究』(第9号)P112, 1941.野村正良, 「海外蒙古言語学会近況」, 『言語研究』(第9号)P113, 1941.Haenisch, Erich. Worterbuch zu Manghol un Niuca Tobca’an (yuan-ch’ao Pi-shi), Geheime Geshichte der Mongolen., 『言語研究』(第5号)P77, 1940.山本謙吾, 「ツングース・蒙古諸語における名詞語幹形成語尾‐riについて」, 『言語研究』(第14号)P49, 1949.野村正良, Remarks on the Diphthong〔wa〕in the Kharachin Dialect of the Mongol Language, 『言語研究』(第16号)P126, 1950.野村正良, Supplementary Notes and Additions to Remarks […]

モンゴルの書籍(佛教大学蔵書)

京都市にある佛教大学の図書館の蔵書をOPACで検索してみたところ、意外とモンゴル関係の蔵書が充実している。いったいどんな人が集めたのだろうか。 ちょっと面白そうなのを見つけたのでメモしておく。 C. R. Bawden, Tales of King Vikramāditya and the thirty-two wooden men : Mongol text and translation (Śata-piṭaka series ; Indo-Asian literatures ; vol. 13), (Mongol-piṭaka ; vol. 3), New Delhi(International Academy of Indian Culture), 1960 蔡志純, 范玉梅撰, 蒙古、、東郷、土、保安、达斡彌族文化志 (中華文化通志 / 中華文化通志編委会編 ; 3-023), 上海人民出版社, 1999 Б. Я. Владимирцов, Bodhicaryāvatāra / C̦āntideva ; […]

変な日本語に聞こえるモンゴル語

エヘン、オホン ehe n uhna (彼の)お母さんが掘る。アハン、ウフン aha n uhne (彼の)お兄さんが亡くなる。イッヒッヒー ih hii hii! 空気をたくさん入れろ。エヘヘー eh hee 雛形となる模様すげぇクチでんなぁ~ suugee egchideen naa! お姉さんにミルクをくっつけなさい。バガ、テメー、アホー baga temee avah uu? 小さいラクダは要らんかね?

モンゴルの仏教説話集(1)

【シッディ・キュル】 13世紀に成立されたとされるモンゴルの仏教説話集。インドの『シッディ・クール』がイラン高原、チベットを経てモンゴルに伝わり、土着化したもの。邦訳書には、吉原公平・訳 『蒙古シッディ・クール物語』(ぐろりあ・そさえて 1941)があり、R.H.Busk による英訳本(1873)を底本としているらしい。その他、以下の書籍が刊行されている。 Kalmückische Märchen. Das Märchen des Siddhi-kur; oder, Erzählungen eines verzauberten Todten : Ein Beitrag zur Sagenkunde auf buddhistischem Gebiet (ed. Jülg, B. Julg, Leipzig, 1866(カルムイクに伝わる「シッディ・キュル」のテクストとドイツ語訳。巻末にカルムイク語彙集を収録) Mongolische Märchen-Sammlung. Die neun Märchen des Siddhi-Kür nach der ausführlichen Redaction und die Geschichte des Ardschi-Bordschi Chan. (Jülg, B. Innsbrück. 1868) “The Siddhi Kur” (Tales […]