蒙古文字(縦書きのウイグル式モンゴル文字。伝統モンゴル文字とも呼ばれる)をブラウザで表示させようとした場合、いろいろと技術的な問題があって困難なものだ。内蒙古人民党のホームページには、伝統モンゴル文字によるモンゴル語表示のページがあるが、画像データをブロックに分けて表示させている。現在内モンゴルにいくつかある蒙古文字表示のホームページは、大概この手法をとっているようだ。 モンゴル語研究や言語学は政治とは無関係(社会言語学等を除く)なので、党の運動内容についての言及は差し控えたいが、モンゴル語表記のホームページの例として非常に参考になる。 http://www.innermongolia.org/mongol/ ロゴやメニュー部分の文字は、伝統モンゴル文字としてはやや古い時代のもので、モンゴル国では装飾的に好んで使われる書体だが、内モンゴルで使われることは珍しい。中央部分に表示される文章や写真に写っている書体は内モンゴルでよく使われる書体である。 なお、モンゴル国のモンゴル語ではサイトのうちのトップページ(いわゆるホームページ)はnuur huudasと言うのが普通だが、ここではger huudasと表示されていて興味深い。gerとはモンゴルの移動式住居としておなじみのゲルのことだが、広い意味では家のことを指す。huudasとはページのことで、家のページ、すなわち「ホームページ」というわけだ。
フリーのワープロソフト、OpenOfficeのモンゴル語版であるOpenMNのサイト。http://www.openmn.org/
蒙古文字入力用の「WPS Office 2005 個人版」というフリーソフトをダウンロードしてみた。WPS Officeのホームページは下記である。 http://wps.kingsoft.com/ ダウンロードは以下のページから可能だ。 http://kdn071.dl.kingsoft.com/wps/personaltrial/setup_wps2005.12012.0.exe このソフトは「WPS文字」というワープロソフト、「WPS演示」というプレゼン用ソフト、「WPS表格」という表計算ソフトからなっている。 ワープロソフトはメニューの[格式]→[文字方向]で縦書きの左から右改行を選択すれば、蒙古文字を入力することができる。段組などの小細工をしなくとも普通に左から右に改行してくれるので、OpenOfficeを使っての入力よりははるかに楽だ。さらに嬉しいことに、作成した文書はPDF化することもできる。 プレゼン用ソフトはというと、縦書きで蒙古文字フォントの表示は可能だが、まだ左から右改行はサポートされていないようだ。 表計算ソフトについてはまだよく調べていない。
蒙古文字用のワープロソフトをダウンロードしてみた。「蒙文WPSOffice2000」というソフトだ。 http://www.mongolger.net/ruanjian/wps2002.rar rar形式の圧縮ファイルなので、Lhaplusという解凍ソフトを窓の杜からダウンロードしてきて解凍してみた。 http://www.forest.impress.co.jp/lib/arc/archive/archiver/lhaplus.html なんとかインストールはできたが問題点がある。レイアウトは縦書きで左から右改行されるようだが、文字の向きが横を向いたままなのである。しかもローマ字しか表示されない。 設定を変えればうまくいくのかもしれないが、あいにくメニューは中国語で書かれているためか、すべて文字化けして何も見えない。 中国内モンゴルからの留学生の話では、現地ではWPSを使っていたが、日本ではうまく使えないという。おそらくOSが中国語版Windowsならば問題なく使えるのだろう。
蒙古文字ソフトを紹介し、そのダウンロード先を示した、「蒙文軟件輸入法大全」(モンゴル語ソフト入力大全)という、極めて有意義なブログを見つけた。表示にはかなり時間がかかるが、気長に待っていれば確実に表示されるはずだ。 http://saqirilatu.blogcn.com/index.shtml 私が特に興味があるのが、蒙古文字の入力用のワープロ各種と、フォントのユニコード割り当てである。 とりあえず、いろいろ試してみて、少しずつ結果を紹介していきたい。
蒙古文字(縦書きのウイグル式モンゴル文字)を使って、モンゴル語でチャットが可能なソフトがある。Boljooというインスタントメッセンジャーである。英語版のBoljooは以下のURLからダウンロードできる。 http://210.77.30.21/cbl/proto/index1/down.jsp?fn=Boljoo_1_0_1.exe Boljooのホームページは下記だが、ここからダウンロードすることができるのは中国語版のようだ。「下載 boljoo chat」のボタンをクリックすればよい。 http://www.boljoo.com/home.do?m=enter 試しにモンゴル人とチャットをしてみた。ちゃんと縦書きで左から右に改行される。発言の入力欄は右側に縦についている。 入力方法だが、ASCII領域を使っているらしく、IMEなど使わなくとも普通にキーボードから入力可能だ。ただし、最初に入力を半角モードにしておく必要があるようだ。英数字との切り替えはShiftキーで行える。下記はキーボードの配列表のページである。 http://www.boljoo.com/images/product/tarobqi.jpg さらに嬉しいことに、7,000語もの辞書が内臓されているので、ほんの2~3文字入力するだけで単語の候補がいくつか表示されるのである。いくらか修練はいるが、正確な綴りを高速に入力するのに役立ちそうだ。 そうとはいえ、慣れない蒙古文字のキー配列を見ながらの入力で、ものの30分ほどチャットをしただけで疲れてしまい、「用事があるから」と適当に言い訳をして早々に退散した。とほほ。
モンゴル語入力に便利な、キーボードに貼って使うキリル文字のシールを下記で購入することができる。透明シールなので使い勝手がよい。 http://auction.mongolica.net/ 青い文字が書かれたもの(薄い色のキーボード用)と白い文字が書かれたもの(濃い色のキーボード用)の2種類があり、どちらかは購入時に選択可能だ。 キーボード配列は、モンゴル国のナショナル・スタンダード配列となっているようだ。
中国内モンゴル自治区で、携帯のモンゴル語によるサービスが開始された。いったい、入力方法などはどうなっているのか興味しんしんだが、実物を目にすることができないのが残念だ。 詳細は以下のサイトを参照。http://jp1.chinabroadcast.cn/151/2007/01/08/1@83379.htm
とても興味深いページを見つけたので、メモしておく。将来的に『ホホ・ソダル』をコーパス化する際に参考になるだろう。http://monju.elec.ryukoku.ac.jp/abe/AFC/tategaki/tategaki.htmlhttp://imt.chem.kit.ac.jp/fujita/fujitas/kanbun/kanbunex.html
2004年にモンゴル政府は、すべての小中学校にコンピュータ室を設置することを目標として掲げており、このため日本、韓国、台湾からは中古のパソコンの提供を受けている。市販のソフトは高額なため、JICAの支援を受けて20%のパソコンにオープンソースのソフトがインストールされた。また、JICAプロジェクトの一環として、LinuxとRed Hatのテキスト部分のモンゴル語への翻訳、学校教師などに対するLinuxの研修を行っている。 モンゴル国ではプロバイダーのうち97%が、Free BSD, PHP, My SQL, Perlなどと共に、GNU/Linuxをベースにしたオープンソースのソフトを使用している。モンゴル国で第二番目の大手のプロバイダであるMiCOM社でも、オープンソースにもとづいたサービスを提供している。 主に海外に在住のモンゴル人らが運営するサイトであるOpenMN(http://www.openmn.org)の情報によれば、2004年3月にはオープンソースをテーマとするシンポジウムがモンゴルにおいて開かれ、すでに2005年にはLinuxのモンゴル語版である”Linux OS Soyombo 1″のベータ版がリリースされ、CDの頒布も行われている。 <参考サイト>http://www.cicc.or.jp/