蒙古文字(縦書きのウイグル式モンゴル文字。伝統モンゴル文字とも呼ばれる)をブラウザで表示させようとした場合、いろいろと技術的な問題があって困難なものだ。内蒙古人民党のホームページには、伝統モンゴル文字によるモンゴル語表示のページがあるが、画像データをブロックに分けて表示させている。現在内モンゴルにいくつかある蒙古文字表示のホームページは、大概この手法をとっているようだ。
モンゴル語研究や言語学は政治とは無関係(社会言語学等を除く)なので、党の運動内容についての言及は差し控えたいが、モンゴル語表記のホームページの例として非常に参考になる。
http://www.innermongolia.org/mongol/
ロゴやメニュー部分の文字は、伝統モンゴル文字としてはやや古い時代のもので、モンゴル国では装飾的に好んで使われる書体だが、内モンゴルで使われることは珍しい。中央部分に表示される文章や写真に写っている書体は内モンゴルでよく使われる書体である。
なお、モンゴル国のモンゴル語ではサイトのうちのトップページ(いわゆるホームページ)はnuur huudasと言うのが普通だが、ここではger huudasと表示されていて興味深い。gerとはモンゴルの移動式住居としておなじみのゲルのことだが、広い意味では家のことを指す。huudasとはページのことで、家のページ、すなわち「ホームページ」というわけだ。